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知っておきたい!お線香の香りについて

知っておきたい!お線香の香りについて

お線香の香りってどれぐらい種類があるかご存じでしょうか?
白檀や沈香ってよく聞くけど一体なにの事?
今回はそんな知っているようで 知らないお線香の香りについてひも解いていきたいと思います。

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線香ってお部屋で楽しむために使ってもいい?

もちろんです。お線香をリラックス、気分転換や趣味として楽しむことに全く問題はありません。
におい消しとして使用する方もいます。お香のうちスティックタイプ(棒状)になったものがお線香です。
お線香として定番な伽羅や白檀は、古くから生活の中で親しまれてきました。老舗の料亭でも空間の演出として使用されています。
伝統的な香り以外にもフローラル系の香り、無香タイプなどさまざまな種類があります。ぜひお好みの香りをお部屋でも楽しんでみてください。

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お線香の香りはどんなものがあるの?

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香りは「嗅ぐ」ではなく「聞く」と言います。長い歴史のなかで磨かれてきた香道では、香りは嗅ぐのではなく、聞くもの。 じっくりと香りを味わい、その香が伝えるものを心で聞き取るということから、「香を聞く」というのだそうです。


香木系

材そのものに芳香を有する木を、香木といいます。
その中で特に珍重されたのが沈香で、有名なものは正倉院御物として現在まで伝えられています。自然が作り出す香木の香りは、同種類の木でもそれぞれ異なり、その香りは私たちを魅了し続けています。

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  • 沈水香木(ぢんすいこうぼく)
    様々な外的要因によって木質部分に樹脂が凝結し、樹木自体が枯れていく過程で熟成されてできたものです。「水に沈む、香りのする木」ということから「沈水香木」(略して沈香)と呼ばれます。インドシナ半島・インドネシアなどの熱帯雨林で産出され、薫香料のほか、薬用としても古くから知られています。産地により香りが違い シャム沈香は甘味を基調にしたもの、タニ沈香は苦味を感じるとされておりスパイシーな香リの印象を受ける人もいます。
    現在はワシントン条約により特定の手順以外では輸出入が制限されている極めて希少な原料です。

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  • 伽羅
    沈香の中でも伽羅と呼ばれるものは、ベトナムの限られた地域でしか採取されない最高級品です。ほかの沈香より含油量、水分量が多い為熱を加えず常温でも香りやすいのが特徴です。
    大変希少性が高く高価なものとなります。
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  • 白檀
    インド・インドネシア・マレーシアなどで栽培されサンダルウッドとも呼ばれます。その中でも、インドマイソール地方のものは最高品質で「老山白檀」と称されます。薬用・薫香用・数珠・彫刻工芸品・扇などにも使用される最もポピュラーな香木です。
    ほのかに甘いウッディ調の優しい香りで、馴染みのある香りです。



    香木を取り巻く環境


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    地球規模での自然環境や社会情勢の変化にともない、品質の良い沈香や白檀を安定供給することは次第に困難になりつつあります。ことに沈香は絶滅危惧種として、世界的な視野での保全管理が必要とされています。そのため沈香をはじめ白檀の木材などは輸出入の制限があり
    香りだけではなく お数珠、仏壇などにとっても貴重な原料となってきています。

    天然香料


    お香の原料として使用される天然香料には数十種類あり、天然のものだけに入手困難なものも少なくありません。
    これらは、中国やインド、東南アジアを中心に産出されています。また香辛料や漢方薬として親しまれているものも多くあります。

    keihi.jpg 桂皮(けいひ)

    スノキ科でベトナム、中国南部などが産地。別名:シナモン(Cinnamon)。
    お菓子やカレー・クッキーなど食品香料・香辛料、鎮痛剤などのほか 生薬、せっけんにも使われます。
    スパイシー系 葛根湯の香りが特徴です。
    daiukyo.jpg 大茴香(だいういきょう)

    モクレン科で中国南部などが産地。別名:スターアニス(Staranise)、八角(はっかく)。
    さわやかな甘み、杏仁豆腐の香りが特徴です。中華料理の香味付けには欠かせません。
    甘さの中にみずみずしさがある香りで、香りの奥行きを広げる役割もあります。
    chouji.jpg 丁子(ちょうじ)

    インドネシア モルッカ諸島やタンザニア ザンジバルなどが産地。別名:クローブ。
    チョウジノキ(フトモモ科)の花蕾を乾燥したもの。肉料理などに使用されるスパイスとしても有名。染物 鬢付け油、薬など様々なものに使用されており使用量によって 強めではスパイシー、微量では甘い香りと表現力豊かな香りが特徴です
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    安息香 (あんそくこう)

    エゴノキ科の樹脂でインドネシア スマトラなどが産地。別名:ベンゾイン。
    バニラのような濃厚な甘い香りが特徴で文字通り 呼吸を落ち着かせて安心させる香りという意味があります。香りを長く留める保留剤としての役割もあり、主の香りより保留剤として使用されることが多いです。

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    竜脳(りゅうのう)

    フタバガキ科で樹脂が結晶化したもの。インドネシア、マレーシアなどが産地。別名:ボルネオール。
    清涼感のある甘さ、樟脳(しょうのう)・墨に近い香りで昔から防虫剤としても利用されてきました。

    kaiko.jpg 貝甲香(かいこうこう)

    巻貝のフタ、アフリカなどが産地。主に保香材として少量で全体の香りを引きしめることに使用されます。
    原料自体はタンパク質が燃える匂い。
    konsho.jpg 甘松(かんしょう)

    ミナエシ科でヒマラヤ山系、中国の山岳地帯が産地。ウッディーで少しカビ臭さを感じるような香りで好みがわかれやすいです。
    沈香や白檀などと調合すると、濃厚な甘みのある香りとなります。
    sanna.jpg 山奈(さんな)

    ショウガ科バンウコンの根茎で中国南部やインドが産地。別名:サンドジンジャー。
    調合時にほかの強い香りをぼかしてなじます補助剤としても使われることもありスッキリとした香りが特徴。
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    藿香(かっこう)

    シソ科パチョリの葉を陰干し乾燥させたもの。インドネシア、マレーシアなどが産地。別名:パチョリ。
    ウッディ―調少しさわやかな甘さの香りを表現でき、そのほかのお香の香りを引き出すことにも優れているます。



    手作りで自分だけのオリジナル線香が作れるセット

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    そのほか ラベンダーやバラなどフローラル系の香りも数多く 発売されています。


    煙と香り


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    仏教において お線香は空間を清める・安らかな気持ちにさせるという意味の他に仏様のご飯と考えられています。
    そのためお線香はなるべくいいものを、香りや煙もでるものを とされてきました。
    しかし近年では伝統的なお線香の「においが苦手」「マンションであまり煙がでない方がいい」などのお声も多くなりました。
    また香りの感じ方、好みも人それぞれとなり 「いいお線香」=「貴重な香木のお線香」という事ではありません。
    お線香が苦手でお供えやお参りから遠ざかってしまうのは少し残念な気もします。


    お参りに絶対的な決まり事はありません。ぜひお好みや環境に合わせてお線香を選んでみてください。
    法事や命日など特別な日やご進物などは 従来の伝統的なお線香を使用する など使い分けてもいいですね。




    煙の少ないお線香(微煙・少煙・無煙タイプ)

    住宅環境に伴い 煙の少ないタイプの人気も高まっています。こうしたタイプは香木の使用が少なく主に炭を使用しています。
    そのためお線香自体 黒いものが多くなっています。パッケージや説明文に「微煙」「少煙」と記載されています。また炭を使用している特性を活かし 消臭効果のあるものも多くあります

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    線香 尚林堂 茶花(少煙・黄) 茶花(超微煙・青)超ミニ寸 0101a090a 線香 奥野晴明堂 0(ゼロ)白箱 中バラ 0101a014a



    お墓用のお線香

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    主に杉の葉や小枝を乾燥させ粉末にしたものを材料にしたお線香です。素朴な自然な香りで、匂い線香の材料とされる椨(たぶ)よりも古くから使用されています。煙がかなり多いため 現代ではお墓で使用される事がほとんどです。また束になっていることが多く まとめて火をつけて使用します。(霊園や寺院によって お線香の焚き方に違いがあります。屋内の霊園などでは普段ご自宅で使用されているお線香を使用されることもあります。事前に確認されると安心です)もちろん屋外のお墓でもお気に入りのお線香をお使いいただいて全く問題ありません。

    お香の効能


    お香の効能を端的に伝える「香の十徳」という詩文があります。11世紀、北栄の詩人 黄庭堅(こうていけん)(通称:黄山谷)の漢詩で
    一休さんでおなじみの一休禅師によって日本に広められました。

    1

    感格鬼神

    感は鬼神に格(いた)り 感覚を研ぎ澄まし集中できる
    2 清淨心身 心身を清浄にし 心身を清浄にする
    3 能除汚穢 能(よ)く汚穢(おわい)を除き よく穢れや汚れを取り除く
    4 能覺睡眠 能(よ)く睡眠を覚し よく眠気を覚ます・眠りを誘う
    5 静中成友 静中に友と成り 孤独な時に安らぎをもたらす
    6 塵裏偸閑 塵裏(じんり)に閑(ひま)を偸(ぬす)む 忙しい時にも心を和ませる
    7 多而不厭 多くして厭(いと)わず 多くても邪魔にならない
    8 寡而為足 寡(すくな)くして足れりとす 少なくても十分に香る
    9 久蔵不朽 久しく蔵(たくわ)えて朽ちず 年月を経ても朽ちない
    10 常用無障 常に用いて障り無し 常に用いても害はない

    お線香は薬ではないため正確には効能とは言えません。しかし古来より香りの効果について説かれた詩を感じつつ お線香を焚いてみるのも趣があります。

    気をつけたいポイント

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    香りの感じ方は人それぞれ

    香りの感じ方はその日の体調や気分によって変わる事もあります。自分は好みだけれど家族はあまり好きではないみたい など
    お好みもあると思います。また同じ香りを長時間かぐとその香りに慣れてしまい、よくわからなくなることも。
    そんな時はお線香の種類を変える、使用時間を短くする、換気をするなど をしてください。体調が戻らないようでしたら無理に使用せず医療機関に相談されるのもよいでしょう。

    お好みの香りが見つかるまでは少量タイプやミニ寸のお線香から購入してみてください。

    種類 長さ 燃焼時間(目安)
    ミニ寸(一般的な長さの半分) 約7cm~9cm 10分~15分程度
    短寸(一般的な長さ) 約13cm~15cm 25分~40分程度。少煙では20分程になる場合もある
    長尺寸(主に寺院で使用) 約25cm~70cm 燃焼時間60分~7時間




    火の始末は特に注意!

    お線香は火を使用します。火事にならないよう出来るだけ目を離さないようにしましょう。
    灰に立てたお線香が知らないうちに倒れたり 火のついた部分が座布団に落ちていたりすることがあります。

    ・近くに燃えるものを置かない

    ・風が当たらないようにする

    ・香炉の灰の量に注意する

    ・防炎マットをひく

    ・短いお線香を使用する

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    宗派によってはお線香を寝かす、折ることもあり 決して仏様に失礼という事にはなりません。心配な場合は
    ミニ寸をさらに短く折り、燃焼時間を調整してみてください。


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    お線香と一口に言っても様々な香りがあります。
    お線香を焚くことは 仏教において供養の一つに数えられており功徳の高いこととされています。
    お仏壇だけではなく おもてなしとして玄関などでひっそりと焚いてみたり お好きな香りを焚いて
    気分転換をしてみたり。ぜひ生活の一部に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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